前回の記事では、「決算書」を見ることで、あなたの事業の「成績」と「健康度合い」が数字ですべてわかることについてお話ししました。
今回はもう一つ掘り下げて、この決算書を読むときに簡単な見方があることについてお話ししたいと思います。
題して、今の事業の財務状況が安全かどうか簡単にわかる「2つの公式」です^^
これを知っておくと、簿記の知識がなくても簡単に今の財務状況がわかってしまいます。
もしこの指標で見たとき数値が悪ければ、それは今の事業の安全度合いが悪化しているサインですから、早めに改善するようにしてくださいね。それでははじめましょう^^
まずどういった財務状況が「安全」なのか?
その前にまず、事業において安全性を見るうえで、どういった状況であれば「安全」だといえるのか、を知っておく必要があります。
簡単に言えば、次のような状況が安全だと言えるかと思います。
自己資金が多い
自己資金は、要するに自分が事業用に提出したお金のことです。これと対比するのが「借入金」いわゆる借金(他人資本)です。
自己資金が多ければ、その事業において借金の返済額が少ないことになりますので、事業の安全度は高いということが言えます。
負債(借入金)が少ない
一方、自己資金が少なくて、借入金が多いようだと、その返済のために毎月多額のお金を支出しなければならないので、利益も少なくなってしまいます。
つまり、この事業の財務状況としてはあまりよろしくないということが言えると思います。なので、やはり借金は少ない方が安全だと言えると思います^^
キャッシュ(流動資産)が多い
キャッシュとは、そのまま現金のことを言う場合もありますが、会計上は、現金以外の預貯金や株式、債券といった「すぐに現金化できるもの」についてもキャッシュと呼ぶ場合があります。
これを流動性がある資産であることから「流動資産」と呼んだりします。
この流動資産の割合が、資産全体と比べて多ければ、その事業は「安全」だとことがいえます。
ほかにも事業の安全性を見るうえではいろんな指標がありますが、まず基本的なところではこの辺を押さえておけばよいかと思います。
ではそれを踏まえたうえで、事業の安全性を見るときに重要な「2つの公式」についてお話ししたいと思います^^
事業の安全性がわかる「2つの公式」とはどういったものか?
まず今回のこの2つの公式を見るのは決算書(財務諸表)のうち「貸借対照表」(バランスシート・B/S)を使います。
この貸借対照表を見て、次に2つの公式に当てはめて見ていけば、今の事業の「安全の度合い」がわかるというものです。それは次のようなものです。
流動比率
流動比率とは、「流動資産÷流動負債×100」で表される数値のことをいいます。
流動資産は、先ほども言ったように現金のほか預貯金・株式・債権などで、すぐに現金化できるものをいうのに対して、流動負債は、買掛金や短期借入金など、早めに返済しなくてはならないものをいいます。
この指標は、すぐに返さないといけない流動負債に対して、すぐに現金化できる流動資産をどれだけ持っているかを見るための指標です。
この流動比率は、高ければ高いほどよくて、一般的には150%~200%あれば安全とされています。
たとえば、自分の事業の数字を上の公式に当てはめたとき、もしそれが150%であれば、すぐに返すための借金に備えて、すぐに現金化できる資産をその1.5倍用意しているので安心、だからその事業は安全であることがわかる、というわけです^^
自己資本比率
自己資本比率は、「自己資本÷総資本×100」で表される数値のことのことをいいます。
この指標では、すべての資産のうち、自分のお金でどれだけまかなえているかがわかります。たとえば今の事業が無借金で行われている場合、この自己資本比率は「100%」になります^^
この自己資本比率は、高ければ高いほどよくて、一般的に30%以上が望ましく、50%以上あれば優良とされています。
日本の多くの会社で「無借金経営」をしているところは少ないので、このくらいであれば事業の安全性という点では「ひとまずO.K」ということが言えると思います。
もしこの2つの公式の数値が悪かった場合の対策は?
ではこの2つの公式に自分の事業を当てはめて見たとき、数値が悪かった場合はどのような対策をすれば改善されるのでしょうか?
まず流動比率を改善するための対策としては、
手元のキャッシュを増やして、余計な借り入れは増やさないこと
といったことが求められると思います。
そして、自己資本比率を改善するための対策としては、
自己資本を増加させて、余計な借り入れは増やさないこと
といったことが求められると思います。
このように現状を把握して、それを改善すべく取り組むことで事業も大きく発展できます。
たとえば、事業規模を大きくするために、金融機関から融資を受けたいと考えている場合に、上記の数値がよければ融資を受けられる可能性が格段に上がります。
まずはこうした財務分析の方法をいくつか知っておいて、今後もっと取り入れていけば事業の安全性や収益性の向上が見込めるようになりますので、ぜひ取り組んでほしいと思います^^
まとめ
いかがでしたでしょうか?ちょっと今回は内容がむずかしかったかもしれません。でも知っておいて損はないと思います。
今の数値が悪くても、しっかり状況を数字で把握していれば改善されていきますので、ぜひ取り入れてみてほしいと思います^^