「回転数」について知っておくと事業がうまくいくようになります!

事業経営の基礎知識

さて、皆さんはよく飲食店の事業などで「回転数」という言葉を耳にしませんか?

この店は回転が速いよね」なんて言い方をするように、この回転数という言葉は私たちも日常よく使ったりします。

飲食業以外の業種であっても、この「回転数」の概念を知っておくことは実はとても重要です。

そこで、今回はこの「回転数」について知っておくと、事業経営がいろんな意味でラクになりますよ、というテーマでお送りしたいと思います。

「回転数」の定義とは?

まずその前に「回転数」の定義についてお話しておきたいと思います。

回転数とは、「1日にお店のイスを何人のお客様が使ってくれたか」という考え方です。

かりに50席ある飲食店で、1日に来店されたお客様が150名の場合には「3回転した」ということになります。

この回転数を上げようと思えば、席数を減らすか、客数を上げるかといったことをしなくてはなりません。ここまでは大丈夫でしょうか^^

「客単価」と「回転数」が分かれば「一日の売り上げ」が予想できる。

ではそれを踏まえたうえで、飲食店の売上を計算してみたいと思います。この場合の計算式は、

「売上= 入客数 × 客単価」

という公式で表すことができます。

このとき「入客数」は、「席数×回転数」というふうに分解してみることでわかります。


つまり、この飲食店の売上を単純に予測したいときは、

「売上= 席数 × 回転数 × 客単価」

という計算式で求めることができます。(実際計算するときは、客席稼働率なども加味して考えなくてはいけません。)

そうなると、もし売上をアップさせたければ、席数はそう変えられないので、回転数と客単価の両方をあげればいいんじゃないの?ということになりますが、実際はそううまくはいきません。

「客単価」と「回転数」は反比例する。

一般的に「客単価」と「回転数」は「反比例の関係」にあります。

要するに客単価が高ければ回転数は下がりますし、逆に客単価が低いと回転数は上がります。

たとえば牛丼やハンバーガーなどのファストフードのお店は「客単価が低いが、回転数がいい」傾向にあります。客単価は500円だけども、1時間に10回転するお店などがそうです。

もしこのお店の席数が20席あるとした場合、20×10×500=100,000となり、この1時間で10万円の売り上げが見込めることになります。


逆に、もしこれが高級割烹料理店だと、「客単価は高いが、回転数は悪い」傾向にあると言えます。客単価は1万円だけども、1時間に1回転しかできないといったお店がそうです。

もしこのお店の席数が10席だとした場合、10×1×10,000=100,000となり、先のお店と売り上げは同じことになります。

つまり、自分の店は「客単価重視の店」なのか「回転数重視の店」なのか、どちらかの形にするのか、前もって決めておくことはとても重要だと言えるでしょう。

「客単価」と「回転数」は中間でも、ビジネスは成立する?

それでは、この中間に位置するもの、つまり「客単価も回転数もそこそこ」といった感じのお店はどうでしょうか?これでも一応ビジネスとしては成り立ちそうな感じがします。

しかし、残念ながら、そういうお店は、売り上げは上がりにくい傾向にあると言えます。


例を挙げるならば、「田舎の町にポツンとある喫茶店」を思い浮かべてみてください。一日の客数は多くないけれども、値段もそんなに安くないといったお店ですね。

こういったお店というのは、客単価も回転数も伸ばしにくい環境にあるため、売上を今以上に伸ばすのは困難だと言えます。

さらに、こうした特徴がないお店というのは、近くに競合店ができた場合などは一気に入客減のリスクにさらされることになります。

なので、やはり前もって客単価を上げるのか、回転数を上げるのかといった方向性は前もって決めておくことが大切だと思います。

「回転数」をあげるための考え方は?

このように、回転数を高めるということは、店の売上を伸ばすひとつの要因ですから、そのための努力や工夫をしなくてはならないと言えます。

実際の現場でも、いざ売上を伸ばそうとしても、「席数」や「客単価」はなかなか上げにくいという感じだと思います。そうなると、やはり「回転数を上げる」ということが求められるかと思います。

回転数を上げるためには、入客数を上げることが不可欠です。ただし一日のうち入客の多い時間は「ランチタイム」などに限られてきます。

そこで入客数の多い時間には、

  • 一人客をカウンター席に誘導する
  • 4人掛けテーブル席に「間仕切り」を置いて、少人数のお客様でも座れるようにする
  • 今ならお席空いてますよ!という感じで呼び込みをする
  • 入口のボードに本日のランチメニューを書いてお得感を訴求する

など、入客が見込める時間には、回転数を上げる、つまり、少しでも多くの方に利用してもらえるようにする努力と工夫が必要だと言えます。

このようにしていけば、売上アップも見込めるようになりますので、まずは「回転数を上げる」というところを目指してほしいと思います^^

まとめ

いかがでしたでしょうか?この回転数というのは、売上アップのほかにもコストダウンにも影響します。

このコストダウンの効果についてはここでは言及しませんが、いずれにせよ、回転数が増えれば売上も増えるし、コストも下げられますので、飲食店などの経営で売上を伸ばしたければ、まず手をつけるべきは回転数だということが言えます。

こういったことを知っておくことで、皆さんの事業経営に何らかのプラスにつながりますので、これからもしっかり勉強を続けていきましょう^^

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