これから創業して事業をはじめるにあたって、個人事業や法人(株式会社)にかかわらず、必要な届出をしないといけません。
その一つが「税金」です。税金は、国民の義務ですので、これから事業を行う上で欠かせないものです。そのため事業を開始したら、しっかりと所定の届出を行う必要があります。
では、事業を行う上での税金とはどういった種類があるのか、またその届出はどうするのかなどについてみていきたいと思います。
事業をする上でかかる税金は、個人事業と法人で大きく異なる。
事業を行う上で税金を納付する場合、個人事業主と法人とで、その名称や内容が大きく異なります。次のような表にまとめることができます。
個人にかかる税金
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種類 |
税金の概要 |
国税 |
所得税 |
所得金額に応じてかかる |
地方税 |
個人住民税 1.都道府県民税 2.市町村民税 |
均等額でかかる「均等割」と、前年の所得に応じてかかる「所得割」からなる |
個人事業税 |
原則事業所得金額に応じてかかる |
法人にかかる税金
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種類 |
税金の概要 |
国税 |
法人税 |
所得金額に応じてかかる |
地方税 |
法人住民税 1.道府県民税 2.市町村民税 |
資本金の金額区分に応じてかかる「均等割」と、当期の法人税額に応じてかかる「法人税割」からなる |
法人事業税 |
原則事業所得金額に応じてかかる |
事業をする上でかかる税金には、どんな種類があるの?
所得税・法人税
事業者にとって一番有名な税金ですね。個人事業主であれば「所得税」、法人であれば「法人税」となりますが、どちらも事業を行った年度ごとに集計して、その間に生じた利益に対してかけられる税金(国税)です。
個人事業主の場合は、1月1日から12月31日までの1年間を事業年度として、その間の売上から経費を差し引いたものを利益として確定し、それに一定の割合を乗じてさらに控除分を差し引いたものが所得税となります。そして翌年の2月16日から3月15日までの間に「確定申告」という形で上記計算した書類を税務署に提出し、納税額がプラスであれば納税し、マイナスであれば還付されます。
法人税の場合は、決算月が会社によって異なるため、事業年度が終了したあとに法人税の計算を行ったうえで納税することになりますが、支払期限は、原則、決算後2カ月以内となります。
住民税・事業税
上記の所得税や法人税は国税であるのに対して、住民税や事業税は地方税として課せられます。そのため税務署ではなくて各都道府県(市町村)にある税事務所に納付する形になります。
住民税の場合は、個人の場合は「個人住民税」(「個人道府県民税」と「個人市町村民税」)、そして法人の場合は「法人住民税」(「法人道府県民税」と「法人市町村民税」)がそれぞれかかりますが、東京都特別区の場合はこれらに代わり「個人市町村民税」は「特別区民税」、「法人市町村民税」は「都民税」という形で課税されます。
事業税も同様に個人の場合は「個人事業税」、法人の場合は「法人事業税」がかかります。
消費税
上記の税金以外にも、事業者は「消費税」も納付しなくてはなりません。
この消費税は、われわれ国民がモノやサービスを買ったときに一定の割合(現在は商品価格の8%、’19年度中に10%になる予定。)でかけられる税金のことで、事業者が価格代金に上乗せして徴収し、国民に代わって納税するという形のものです。
事業を始めたら提出しなければならない税務関係の届出とは?
では実際に事業を始めたらどのような書類をどこに提出しなくてはいけないのでしょうか?
次の表にまとめてみましたので、それぞれ自分の行う事業に照らし合わせてみてください。
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届出先 |
種類 |
提出期限など |
個人 |
税務署 |
1.開業届出書 |
事業開始等の事実があった日から1か月以内 |
2.青色申告承認申請書 |
原則申告をしようとする年の3月15日まで |
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3.給与支払事務所等の開設届出書 |
開設などをした日から1か月以内 |
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各都道府県税事務所 |
事業開始等申告書など |
各都道府県等で定める日 |
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法人
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税務署 |
1.法人設立届出書 |
法人設立の日から2か月以内 |
2.給与支払事務所等の開設届出書 |
開設などをした日から1か月以内 |
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3.棚卸資産の評価方法の届出書 |
確定申告の提出期限まで |
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4.減価償却資産の償却方法の届出書 |
確定申告の提出期限まで |
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5.青色申告承認申請書 |
設立3か月を経過した日と最初の事業年度終了日のうち、いずれか早い方の前日 |
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各都道府県税事務所 |
事業開始等申告書など |
各都道府県等で定める日 |
これらについては、上記以外に届出が必要であったり、不要であったりする場合があります。
また、届出の提出期限も異なる場合があるため、詳しくは税理士もしくは各届出先にお問い合わせください。
まとめ
このように事業を始めるときはかならず税金に関する届出をしなくてはなりません。個人事業の場合は、税務署に開業届出書を提出することによって、晴れて個人事業として事業を始めることができます。
まずはしっかりと確認をしてから所定の届出を忘れずにしていきましょう。